エマルジョンの重合技術

乳化重合とは

  • 乳化重合とは、水に不溶なモノマー(ビニル化合物)を乳化剤存在下で水に分散させた状態で、過酸化物などのラジカル開始剤によってラジカル重合させる方法です。乳化重合には高分子量、高固形分濃度の樹脂を得られやすい等、溶液重合とは異なる特徴があります。乳化重合技術を熟知したイーテックだからこそ、水系樹脂の特性を活かした環境配慮型製品を提案していきます。

乳化重合のメカニズム

  • 乳化重合は一般的に以下の順に進行します。
    ①モノマーの一部が水に溶解する
    ②開始剤から発生したラジカルが水中に溶解したモノマーと反応しオリゴマーを形成する
    ③分子量が大きくなり、水に溶解しなくなったオリゴマーが乳化剤により核(小粒子)を形成する
    ④核にモノマーが侵入し、重合が進むことで粒子が大きく成長する

乳化剤

  • 乳化重合に使用される界面活性剤を乳化剤と言います。界面活性剤にはアニオン性、カチオン性、両性、ノニオン性(非イオン性)などがありますが、乳化剤としてはアニオン性、ノニオン性が一般的です。エマルジョン樹脂を塗膜にした場合に乳化剤起因の耐水性が課題になることがありますが、反応性乳化剤(反応性のビニル基を有し、重合時に樹脂と結合します。)や架橋剤を使用することで、耐水性の良い塗膜を形成することが可能となります。

ハイブリッド化技術

  • イーテックでは単一樹脂のエマルジョンだけでなく、性質の異なる異種材料をハイブリッド化(複合化)した樹脂も製品化しています。配合では相分離して交わることない樹脂同士でも乳化重合による反応場の制御で粒子レベルで複合化することが可能となります。こうした技術により片方の樹脂の欠点を補ったり、単一樹脂では得ることが出来ない機能を付与することでお客様のニーズに答えます。

多段重合技術

  • 一般的な乳化重合では、同一組成のポリマーからなる粒子が得られますが、多段重合では、組成の異なるモノマーを段階的に重合させるため、コア層(核)とシェル層(殻)で組成が異なるコアシェル粒子を得ることが出来ます。コアシェル粒子は1段階目にコアとなるシード粒子を合成してから、2段階目に組成の異なるモノマーを重合させることで合成することが出来ます。各段階に使用するモノマー組成を調整することによって、異なるガラス転移温度(Tg)、架橋密度、分子量等をもつポリマーを一つの粒子内に存在させることが出来るため、均一組成では得られなかった新たな性能を付与することが出来ます。

株式会社イーテック(E-TEC)

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