エマルジョン

エマルジョンとは

エマルジョンとは「水の中に油が、もしくは油の中に水が分散している状態」のことです。身近なものですと牛乳、生クリーム、バター、マヨネーズなどの乳製品がありますが、実は塗料や接着剤、防水材などの工業分野にも使用されています。油が水に分散する水中油滴( O/W 型)の場合、水を媒体とし、水とは馴染まない物質(油滴、樹脂等)が親水性と親油性をもつ乳化剤を介在させることにより、粒子として安定的に水中に分散できます。 一般的にポリマー粒子がゴム系の場合は「ラテックス」、ポリマー粒子が樹脂や油の場合は「エマルジョン」と呼ばれており、その中でもイーテックは長年培ったアクリルの重合技術により、「アクリルエマルジョンの合成」を得意としています。「エマルジョン」に関してのお困りごとはお気軽に当社までお問い合わせ下さい。

粒子の安定化

水に溶けないポリマー粒子が水中に存在しているとき、時間とともに粒子同士が凝集し沈降することがあります。これは粒子同士に引力があるからであり、この引力は粒子を構成する分子の分子間引力によるものです。粒子が沈まずに水中に分散し続けるためには粒子間に反発力が存在し、上述の引力に勝たなければなりません。粒子表面にマイナスとプラスの電荷が並んだ電気ニ重層の構造を持つ場合、粒子間には反発力が発生します。その理由は2つの粒子が接近したときに2つの粒子表面の電気ニ重層が重なり合い、対イオンの部分的な濃度増加が起こるためです。この濃度増加は不安定な状態であり、これを解消するため外から水分子がその部分に入り込むことで濃度増加を抑え、結果として2つの粒子を引き離す効果を起こします。このような電気二重層による反発力と分子間力による粒子間引力の相対的大きさを考慮し、イーテックでは安定なポリマー粒子を設計しております。

造膜性

  • 溶剤系樹脂では溶剤の蒸発によって連続被膜が形成されるのに対して、エマルジョンでは水の蒸発だけでは連続被膜が形成されず、水の蒸発後、ポリマー粒子の変形、融着及びポリマー鎖の相互拡散により連続被膜が形成されます。例えばポリマー粒子のガラス転移温度(Tg)以下の乾燥温度では、ポリマー粒子同士の融着が起きず造膜不良となり、白濁した被膜になることがあります。透明な連続被膜を得るためには、ポリマー粒子のTg や最低造膜温度(MFT)を考慮することが必要となります。

水系の必要性・ニーズ

これまで塗料や接着剤、コーティング剤などの用途では耐久性や経済性から有機溶剤が多く含まれる「溶剤系樹脂」が使用されてきました。しかし、有機溶剤は大気汚染や健康などに悪影響を及ぼす懸念があるため、近年では環境(大気を汚染しない)と人体(シックハウス症候群対策)に配慮した「水系樹脂」のニーズが高まっています。「水系樹脂」は大まかに水分散タイプと水溶性タイプの2種類に分けられており、どちらも非危険物で、水を揮発させるだけで樹脂(ポリマー)ならではの機能を発揮できることが特徴です。今後ますます「水系樹脂」のニーズが高まる中で、イーテックは「アクリルエマルジョン」のプロとして、お客様のニーズにお応えします。

株式会社イーテック(E-TEC)

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